生誕150年 ルネ・ラリック 華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ

René Lalique

あまり予備知識もなく、期待もせずにぶらっと入ったのですが、これがかなり面白い。


アール・ヌーヴォーやアール・デコ、宝飾品や工芸品に興味がある人にとっては、このラリックという人はその時代の代名詞みたいな人のようですね。歴史を追って展示されている作品群を見ていると、その変遷がとにかく面白い。そもそも、宝飾品からガラス工芸に転身した様子がダイナミックで面白い。
その転換は言ってみればアーティストが会社を興して量産品でビジネスを始めたということなので、はっきり言って金儲けに突っ走ってるわけなのです。しかし、そのガラス製品の精度がどんどん上がっていく様子を見ていると、このラリックという人のクリエーター魂を否が応でも見せつけられます。もともと宝飾品の頃から、自分で全て作っているわけではなく、アイデアを出して絵を描いて職人に作らせる、いわゆるアートディレクター的なポジションにいるわけですから、その手となる存在がガラス工場になっただけといえばそうなのです。自分の工場で技術革新を進め、ガラス工芸の技術の限界をどんどん越えていく様子はさながらプロジェクトXのようで、こういう優秀なデザイナーという人は優秀なビジネスマンであるということをとてもうまく表現できている展覧会だったと思います。金儲け≠クリエイティブというようなつまらない概念をさらっと壊してくれるさわやかな日でした。また逆を言えば、ビジネスにはクリエイティブの発想が絶対に必要で、そこが分からない経営者にはモノを作って売る商売は厳しいだろうなと思いました。キラキラジャラジャラしたマダムなどが会場にはフラフラしてますが、意外と面白いラリック展。ちょっとオススメです。

【生誕150年 ルネ・ラリック 華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ】
国立新美術館

2009年6月24日(水) 〜 9月7日(月)

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